製薬企業がトランプ大統領の規制緩和に慎重

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新薬承認の緩和

 

トランプ大統領が製薬企業の幹部を呼び出して行った1月の会談での規制緩和について、医薬品業界からは慎重になるべきとの声があがっています。

 

患者への危険

トランプ大統領は就任後、さまざまな業界の幹部と会談を行いました。

規制緩和を約束し、企業にはアメリカ国内での事業展開や雇用創出を約束させたりと、実績作りにいそしんでいます。

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薬価問題をターゲットにされた複数の製薬企業幹部とも1月31日に会談を行い、減税や米食品医薬品局(FDA)による医薬品の承認手続きを簡素化する提案をしました。

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規制緩和は、なかなか進まない新薬の承認が早くなると好感されましたが、製薬企業の反応は逆のものでした。

2月15日のロイターが伝えたところによると、業界団体であるバイオテクノロジー・イノベーション・オーガナイゼーション(BIO)はFDAの新局長人事について、新薬承認を軽率に早めるような人物を指名しないよう訴えたということです。製薬企業やバイオ企業の幹部からも同様の声があったとしています。

その理由として、新薬の承認を早めるということは治験の工程を簡素化することになり、薬に対する十分な検証につながらず、それは患者を危険にさらす確率が高くなることになります。

さらに薬害問題となれば製薬企業が自らの首を絞めることになります。

製薬大手メルクの調査開発責任者によれば、

「FDAは厳しいという声もあるが、われわれはバランスがとれていると感じる」

と語っています。

 

またもう一つの理由としては厳しい審査手続きを通過して新薬に承認された薬品の価値です。この価値があることで、ある程度高額な薬価が医師や保険会社に認められ、製薬企業にとっては大きな利益をもたらすことになります。

新薬は開発から販売まで長い歳月と多額な資金が必要になります。治験が進んでもすべての薬品が新薬になるわけではなく、途中で良好な結果が得られなければ開発は中止となります。販売までたどりつく薬品は数パーセントと言われています。

審査が簡素化されることは、それを必要としている患者には朗報かもしれませんが、リスクも増えることになります。

製薬企業にとっても好ましいこととは言えないようです。

 

投資家は簡素化を歓迎

一方、FDAの簡素化を歓迎しているのはベンチャーキャピタルなどの投資家です。

ベンチャーキャピタルのキャナーン・パートナーズのティム・シャノンは薬価について、

「信じられないほど高くつくようになってしまった」として、臨床試験で安全性が確認された時点で一部の処方薬を安い価格で市場に出し、利用を通じて効果も確認されれば薬価を引き上げる案を提案しています。

トランプ大統領はFDAの新局長の人選を行っているようですが、関係筋によると元FDAスタッフのスコット・ゴットリーブ。さらには投資家のピーター・ティールに近く、ブッシュ政権でアメリカ厚生省の高官を務めた経歴があるジム・オニールの名前があがっています。

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