世の中はスマホからIoTだ
業界再編の話題はまだまだ続きます。
[blogcard url=”http://www.mywave.jp/entry/2016/10/23/073354″]
[blogcard url=”http://www.mywave.jp/entry/2016/10/24/185140″]
スマートフォン向け半導体大手のアメリカのクアルコムが、同業でオランダの半導体大手のNXPセミコンダクターズをおよそ370億ドルで買収すると関係筋が明らかにしました。
もし買収が実現すれば半導体業界ではソフトバンクのARMに続いて大きな動きになります。
スマホからの脱却
10月21日のロイターによれば、スマートフォン向け半導体大手のクアルコムは、同業のオランダの半導体大手NXPセミコンダクターズをおよそ370億ドルで買収を検討しているとして、その合意も近いとし、数日中にも発表される可能性があると伝えました。
今回の買収が実現すれば、クアルコムはNXPに対して1株当たり現金で110ドルを支払う予定となっています。この買収価格に関してはクアルコムに有利であると投資家は考えているようです。
買収報道を受けてクアルコムの株価は当日約2%の上昇を見せました。
一方、NXPは3%安で取引されました。
クアルコムはスマホ向け画像処理半導体で急成長してきました。
しかし近年はスマホ販売の減速に加えて、中国や台湾などとの競争にさらされている影響を受けています。
スマホ市場が急速に成熟したため、クアルコムだけではなく、半導体メーカーは次の戦略を考えなくてはなりません。その戦略の一つがIoTということになるかもしれません。
今回の買収が実現すれば、クアルコムはNXPが展開している自動車メーカー向けの半導体で有力な企業となり、スマートフォン向け半導体の大きなシェア依存から、別分野へ領域を広げることができます。
NXPセミコンダクターズ
クアルコムが買収を検討しているNXPセミコンダクターズはオランダの企業で、元々はフィリップスの半導体部門でした。
そこから分離し、2015年に同業のフリースケール・セミコンダクタを買収。車載半導体のシェアで世界1位になります。
車載半導体のほかにもセキュリティや照明、産業機器などのさまざまな業界企業の製品開発をサポートしています。そのため拠点も日本を含めて25カ国ほどに広がっています。
買収のうわさはあった
今回の買収報道が出る前、2016年9月にすでにクアルコムのNXP買収のニュースがありました。
この段階では買収額は300億ドルあたりとされており、買収決定ではなく協議段階となっていました。早ければ2、3カ月以内に合意する可能性があると伝えられていました。
その後は両社にこれといった動きはありませんでした。水面下で動いていたのかどうかはわかりませんが、9月から一カ月ほどしか経過していないので、慎重に計画を進めていたのかもしれません。ただ、現段階でも今回の買収が行われるかは不明です。