ピーター・ティール
トランプ次期米大統領が世界に名をとどろかせるテック企業と会談を行いました。
テック企業に批判的だったトランプでしたが今回の会見で空気が多少は和んだのかもしれませんが、はたしてどうなるのか。
テック会談
トランプ次期米大統領はテック業界に批判的であることはすでに知られています。大手アマゾンにはもちろん、アップルに対してもアメリカの工場で製造しろなどと脅しをかけています。
そんなトランプ様が12月14日、名だたるテック企業幹部と自慢の金ピカトランプタワーで会談をしました。すでにニュースにもなっています。
トランプ様はアップルのティム・クック、アマゾンのジェフ・ベゾス、アルファベットのラリー・ペイジなど、居並ぶ大手テック企業のCEOを前に、
「私は君たちを支援するつもりでいる。君たちも今のところよくやっているみたいだな」
と語ったようです。
トランプ様がテック業界に批判的であったため、アメリカ大統領選挙期間中にテック業界から支持する声はほぼありませんでした。
ただ、PayPal創業者の一人であるピーター・ティールは早くからトランプを支持しており、今回の会談ではトランプの横に鎮座したようです。トランプはピーター・ティールの手を取り、
「最初に彼に感謝を述べたい。私を以前から支援してくれている素晴らしい人物だ」
と述べました。
さらには、ピーター・ティールに対して、テック企業の面々に必要であれば電話をかけてもいいし、直接私に電話をしてもしてもいい。形式にとらわれたやり方は必要ないとも述べました。
なお、今回の会談には次期副大統領のマイク・ペンス。イヴァンカなども出席したようです。
上辺の付き合いか
今回の会談でトランプとテック業界の空気は改善したかもしれませんが、だからといって良好になったかと言えばそうではないと思います。
アメリカの大統領が誰になろうがテック業界が世界に与える影響力はだれもが知るところです。いくつかのテック企業は淘汰されていくかもしれませんが、そうやって強力なテック企業は力をつけて生き残っていきます。いまさら業界全体が衰退することはほぼないといってもいいかもしれません。
フォーブスが伝えたところによると、アップルのティム・クックやアマゾンのジェフ・ベゾスの他にも多くのテック企業が参加しました。
- フェイスブック:シェリル・サンドバーグ
- テスラ:イーロン・マスク
- マイクロソフト:サタヤ・ナデラ
- オラクル:サフラ・カッツ
- シスコ:チャック・ロビンス
- IBM:ジニ・ロメッティ
- インテル:ブライアン・クルザニック
- アルファベット:エリック・シュミット
- パランティア:アレックス・カープ
出典:http://forbesjapan.com/articles/detail/14604
会見後にアマゾンのジェフ・ベゾスは、「会談は非常に前向きなものだった」として、「新政権はイノベーションを主要な柱としており、雇用をもたらそうとしている」と語りました。
とりあえずはトランプ政権が始まるわけですから、上辺だけでもトランプと仲良くしておいたほういいということもあると思います。
ただ、トランプ政権では、なんだかんだ障害があって事がうまく進まない可能性もあるでしょう。
選挙期間中に防衛強化を掲げていたトランプでしたが、エアフォースワンやF35戦闘機が制御不能なほど高額などと言い出して、事実上の値引き交渉となりました。それが原因で防衛関連の株価はさがりました。
今のところトランプツイートの神通力は健在ですので、テック企業もしばらくは波音たてずに進んだほうが無難でしょう。
テックとトランプの架け橋となるのはピーター・ティールと思われますが、ピーター・ティール自身もPayPal創業者の一人ですから、うまいことやってくれることを期待したいですね。
ちなみにピーター・ティールは何度も申し上げている通り、1998年にPayPalを創業したメンバーの一人で、現在はベンチャーキャピタルFounders Fundの創設者でもあります。
さらにアメリカ国防にも関与していると言われているデータ分析ソフトウェア企業のパランティアを立ち上げています。フェイスブックの取締役でもあり、イーロン・マスクが携わる宇宙関連企業のSpaceXの出資者です。
(アイキャッチ画像/出典:http://forbesjapan.com/articles/detail/12103)