トランプ次期政権閣僚
来年のトランプ政権に向けての閣僚人事が着々と進んでいましたが、その主要閣僚の顔ぶれがほぼ決まったようです。
目立つのは金融界、経営者、軍経験者の姿でしょうか。
経済、軍事優先か
トランプが次期米大統領に決まったことは、すでに過ぎ去ったサプライズでしたが、そのトランプ次期米大統領が選んだ主要閣僚の顔ぶれもまたサプライズでした。
金融界経験者
財務長官
- スティーブン・ムニューチン(元ゴールドマン・サックス幹部)
商務長官
- ウィルバー・ロス(著名投資家、ファンド「WLロス」会長)
首席戦略官兼上級顧問
- スティーブン・バノン(保守系メディア「ブライトバート・ニュース」の元トップ。ゴールドマン・サックス勤務経験)
国家経済会議(NEC)委員長
- ゲーリー・コーン(ゴールドマン・サックス社長兼最高執行責任者)
経営者
国務長官
- レックス・ティラーソン(エクソンモービル会長兼最高経営責任者)
中小企業庁長官
- リンダ・マクマホン(プロレス団体の共同創業者で元最高経営責任者)
労働長官
- アンディー・パズダー(ファストフード大手CKEレストランツ・ホールディングス最高経営責任者)
米通商代表部(USTR)代表
- ダン・ディミッコ(米鉄鋼大手ニューコア元CEO)
軍経験者
国土安全保障長官
- ジョン・ケリー(海兵隊退役大将)
国家安全保障担当の大統領補佐官
- マイケル・フリン(退役陸軍中将、元国防情報局長)
国防長官
- ジェームズ・マティス(元中央軍司令官)
その他(議員、知事など)
大統領首席補佐官
- ラインス・プリーバス(共和党全国委員長)
中央情報局(CIA)長官
- マイク・ポンペオ(カンザス州選出共和党下院議員)
司法長官
- ジェフ・セッションズ(アラバマ州選出共和党上院議員)
内務長官
- ライアン・ジンキ(モンタナ州選出共和党下院議員)
運輸長官
- イレイン・チャオ(元労働長官)
エネルギー長官
- リック・ペリー(前テキサス州知事)
教育長官
- ベッツィー・デボス(党の元ミシガン州委員長)
保健福祉長官
- トム・プライス(ジョージア州選出共和党下院議員)
住宅都市開発長官
- ベン・カーソン(元神経外科医)
環境保護局(EPA)局長
- スコット・プルイット(オクラホマ州司法長官)
国連大使
- ニッキー・ヘイリー(サウスカロライナ州知事)
どうなるトランプ政権
報道でもたびたび言われていたことですが、ゴールドマン・サックス出身者が多く起用されています。
財務長官のムニューチンはアバターとかX-メンなどの製作に携わった経歴を持っていて、実力は未知数。というより個人的に「うーん」て感じです。ムニューチンて名前がきらい。それなら国家経済会議委員長のゲーリー・コーンのほうが格は上でしょうね。
とにかく、米銀行には追い風になる人事かもしれません。
そして商務長官のウィルバー・ロスとUSTRに指名されたダン・ディミッコに共通するのは鉄鋼でしょう。中国の輸出に対する姿勢で厳しいものになると予想できます。
さらに通称チームには鉄鋼貿易のベテラン弁護士3人の起用も決まっているようです。
軍経験者も多く起用しています。
選挙選中に防衛強化を訴えていたのでオバマ政権より力を入れると思われますが、先日エアフォースワンや主力戦闘機のF-35の製造費が「バカ高いじゃねーか!」とツイートしたから防衛関連銘柄は下落しました。防衛に力入れるの、入れないの。どっちなんだいと言いたくなります。
ちなみに国防長官のジェームズ・マティスは「人を殺すのが楽しい」なんて恐ろしい発言をして「狂犬」などと言われていますが、アメリカの国家安全保障法によれば、退役してから7年以上経過しないと元軍人は国防省の要職には就けません。マティスは2013年退役で法律に触れるため、議会に人事の賛否を問う必要があります。
あとは国務長官のレックス・ティラーソンでしょうか。石油大手のエクソンモービルCEOでしたが国務長官に指名されました。ロシアと関係が深いということで賛否がありますが、だからトランプは指名したのかもしれません。共和党内でも懐疑的な見方もあるため上院で承認されるかは不明です。
このようにトランプ次期政権の人事はほぼ決まりましたが、あとは実際に公言した政策が行われるかどうかです。もし現実の壁にぶち当たり期待はずれ終われば、あれよあれよと真っ逆さまになるかもしれません。懐にしまっている刀が、なまくら刀でないことを願います。
(アイキャッチ画像/著作者:alant79)