NYダウは急上昇
アメリカ大統領選が終わり一夜明けました。
開票時間が日本の市場とガチンコだったので速報によって日本市場の株や為替が激しく動きましたが、結果は大幅な下落でした。
そしてNY時間はどうなるかと思いましたが、NYダウは250ドル以上の上昇となりました。
市場は好感か
「第45代アメリカ大統領ドナルド・トランプ」
この結果に世界中の市場が反応し、株価は大きく下落しました。
しかしNYダウはオープン開始は下落したものの、終値は18589.69ドル。256.95ドルの上昇となりました。画像は開票翌日の11月9日の株価チャートです。
アメリカ大統領選以外にも米連邦議会選挙がおこわれており、共和党は上院と下院それぞれで過半数を獲得しました。これにより2014年から続いていた「ねじれ現象」が解消され、トランプ次期大統領は政策を進めやすくなります。
CNNによれば、上院定数100議席に対して共和党が過半数を超える51議席。下院定数は435議席に対して共和党が238議席を獲得。上下両院で過半数の獲得となりました。
このような理由もあり市場は好感したのかもしれませんが、これまでの民主党の手強さより共和党のトランプのほうが経済が加速するんじゃないか、なんてことを感じたのかもしれません。実際トランプは減税と大規模な公共事業を進めると言っていました。
そして政治経験も軍事経験もないドナルド・トランプですが、経営者という経歴から市場寄りなのかもしれません。
米国株の反応
大統領選から一夜明けたアメリカは、大幅なNYダウの上昇がありました。
この一日でどのセクターが反応したのか。このサプライズがあった翌日の企業株の上下を見れば、トランプ銘柄がわかると思います。時間が経てば別の要因で株価が動くと思うので、この日の監視銘柄がどう動いたかをチェックしました。個別銘柄を通して見ていきます(注:個人的に監視している銘柄だけなのですべてのセクターではありません)。
【上昇セクター】
エネルギー
エネルギー企業は上昇しました。
- エクソン:1.10%
- シェブロン:0.33%
- フィリップス66:3.20%
医薬・バイオ
こちらは大幅な上昇でした。ヒラリーは薬価の見直しを宣言していたので、製薬企業の株はずるずると下げていましたが、トランプに決まったことで大きく上昇しました。
- ジョンソンエンドジョンソン:2.79%
- メルク:6.07%
- アラガン:8.73%
- ギリアド:5.98%
- アムジェン:5.76%
防衛関連
トランプ、クリントンとも防衛には力を入れると言っていたので、防衛企業の株も上昇しました。
- ロッキード・マーチン:5.97%
- ノースロップ・グラマン:5.41%
- レイセオン:7.47%
銀行
金融銘柄も上昇しました。
- ウェルズ・ファーゴ:5.38%
- JPモルガン:4.60%
【下落セクター】
ハイテク
ハイテク銘柄は下落しています。
- アマゾン:-2.01%
- フェイスブック:-0.84%
- IBM:-0.23%
- セールスフォース:-0.85%
消費財
消費財の下落は大きくなっています。
- クラフト・ハインツ:-3.85%
- ペプシコ:-1.35%
- ABインベブ:-2.83%
- P&G:-1.75%
- アルトリア:-2.73%
- フィリップモリス:-3.59%
防衛、医薬に注目
はやり防衛関連の銘柄はこれから注目していかなければなりません。トランプは防衛に力を入れると言っているので引き続き監視対象です。
そして、ヒラリー・クリントンが次期大統領に有力ということでボコボコに売られていた医薬・バイオ銘柄も急速に値を戻すかもしれません。すでに一日で大きな上昇となっています。
全体の相場の流れはまだ数日見なければわかりませんが、買いの準備はしていてもよさそうです。
(アイキャッチ画像/著作者:Malinda Rathnayake)