サウジがどうにかするさ
11月30日にOPECの総会があります。
それに先立ち、28日に専門家会合が開かれましたが、具体策はなく協議を終えました。この結果を受けて減産合意は難しいのではと、市場には不透明感が漂っています。
専門家会合
11月30日、石油輸出国機構(OPEC)の総会があります。
9月にアルジェリアで行われた総会では、OPEC加盟国による減産方針で話し合いがまとまりましたが、その後の展開でイラクやイランが減産を渋っており、雲行きが怪しくなりました。
11月30日の総会に先立ち、28日には専門家会合が開かれました。
ロイターによれば、この専門家会合では具体策に関する合意はなく協議を終えたということです。イラクとイランが依然として減産に抵抗しています。
出典:OPEC減産に不透明感、専門家会合物別れ | ロイター
総会で減産が合意されるかどうかはわかりません。合意されるという見方もあれば、やはり難しいという報道もあります。
ただ、どちらかというと減産合意がされるのではという雰囲気があります。あくまでもなんとなくの雰囲気ですよ。
石油生産国
世界の石油生産国のランキングがアメリカエネルギー情報局(EIA)のページで確認できます。
2015年の石油生産量トップ15は以下の通りです。
出典:International – U.S. Energy Information Administration (EIA)
1位はアメリカで、日量約1500万バレルとなっています。これは近年のシェールオイル量産の結果、サウジアラビアを抜いて1位となりました。
2位はサウジアラビア。3位はロシアと続いています。減産合意に抵抗しているイラクは6位。イランは8位となっています。
イラクは日量約404万バレル。イランは約344万バレルですが、単純に合計してもサウジアラビアの日量約1194万バレルにも満たないです。
もし減産が合意されれば、原油価格は上昇するので産油国にはいいことです(アメリカのシェール企業が増産するかもしれませんが)。
減産合意が不調に終われば、原油価格は下落すると思われますが、特にサウジアラビアにとっては原油安の影響で財政も悪化しており、さらにサウジアラムコのIPOも控えていることから、原油価格の安定を望んでいると思われます。
減産合意がなければサウジアラビアは単独でも減産するかもしれません。ちょいと栓をひねればいいわけで、そうすれば原油価格は反応しますし、サウジアラムコのIPOに向けて原油価格が安定していれば、IPOはうまくいくと思われます。
サウジアラムコの巨大なIPOが控えていますので、2017年は原油安の影響でやられていたエネルギー銘柄がいいかもしれません。