GEはオイルへ投資
アメリカのコングロマリットの代表でもあるゼネラル・エレクトリック(GE)がアメリカの油田サービス大手のベーカー・ヒューズと事業統合することで合意したと発表がありました。
両社は新会社を設立予定。年間売上高は320億ドルを超えるとしています。
事業統合
GEは10月31日、アメリカの油田サービス大手のベーカー・ヒューズと事業統合で合意したと発表しました。
今回の統合は石油・ガス事業での統合となり、GEによるベーカー・ヒューズ丸ごとの買収ではありません。
GEは事業統合という形にすることでコスト削減を行い、近年、力を入れている油田サービス事業の拡大を目指していると思われます。
事業統合で設立される新会社の持ち分は、GEが62.5%でベーカー・ヒューズが37.5%となる予定です。
新会社の年間売上高は320億ドルを超えるといわれており、アメリカで同業1位のシュルンベルジェと競争できる規模となります。
ベーカー・ヒューズ
ベーカー・ヒューズの名前が注目されるようになったのはここ最近です。
原油価格の変動が激しくなりトレーダーはいち早くこれからの原油価格の予想をたてようとしました。
そこで注目されたのが掘削装置のリグの稼働数です。アメリカ国内でどれだけのリグが稼働しているかわかれば、先の原油価格の予想がある程度できるわけです。
ベーカー・ヒューズは70年以上前の1944年から毎週、アメリカの石油・天然ガスのリグ稼働数の調査結果を発表しています。前身のヒューズ・ツールの時代からです。
アメリカの油田サービス会社で業界1位はシュルンベルジェ。2位はハリバートン。3位がベーカー・ヒューズです。
ベーカー・ヒューズは2014年に2位のハリバートンに280億ドルで買収される予定でしたが、欧米の反トラスト当局が懸念を表明しました。
米司法省は2016年4月に買収阻止に向けて提訴。5月に白紙になりました。
ベーカー・ヒューズはGEによる買収のニュースで株価が高騰しましたが、企業買収ではなく事業統合であることが伝わると大きく下落しました。
GEウォーター売却
GEによるベーカー・ヒューズとの事業統合のニュースは大きく取り上げられ知られるところとなりましたが、同時に水処理システムを手掛けるGEウォーターが売却されたことは報道されていません。
ウォールストリートジャーナルによると、今回の買収と同時にGEは水処理システムのGEウォーターを売却したと伝えました。
石油やガス事業は原油価格の下落で低迷しているのはある程度予想はできましたが、GEが期待していた水事業も思うような結果を残せなかったとしています。
「水」問題は人間が生きていくうえで切り離せない問題ではあるものの、その事柄が巨大すぎてすぐにどうこうというものではないのかもしれません。
反面、原油はさまざまな出来事に対して反応しやすく、水よりも油のほうが儲かるのでしょう。
(アイキャッチ画像/著作者:d’Jembe Images)