アマゾンの労働環境

日本でもここ最近、会社のために人生を捧げるような働き方が問題になっています。「社蓄」「全人格労働」などの言葉も生まれています。
週30時間労働
アマゾンは批判されていた労働環境を改善するとニュースになりました。
8月27日のAFPによると、「殺人的」な職場環境を培っているとして批判されてきたインターネット小売り大手のアマゾンが、一部の部署で週30時間労働を試験的に導入すると、ワシントン・ポストが26日報じました。
対象となる従業員は40時間労働の従業員と同等の福利厚生を受けられるようですが、給料は4分の3になります。
アマゾンでは多くの従業員が既にパートタイマーとして働いていますが、このプログラムは管理職を含む部署全体が週30時間の勤務をすることになっているということです。
この労働環境改善プログラムは会社全体ではなく、技術システムのデザインに関わるほんの一握りの小さな部署を対象としているようです。
出典:http://www.afpbb.com/articles/-/3098842
対象の一部とは
アマゾンの労働環境が劣悪ということは日本でも噂になってます。
実際に働いたことがないので勝手なことは言えないのですが、ネットで調べてみるとさまざまなことが言われています。
特にフルフィルメントセンターといわれている倉庫および配送センターの労働環境がひどいとネットでは書き込みがあります。
インターネットの小売りなので、倉庫と配送センターが重要なのは言うまでもありません。
無駄をなくした動作と商品の素早いピックアップ。そして配送と。
担当者はその重圧を感じながら作業をしていると言われています。
ニュースでは「技術システムのデザインに関わるほんの一握りの小さな部署を対象」としていますが、これから判断するに倉庫は対象外なのでしょうか。
それともすでに倉庫や配送センターではパートやアルバイト契約などで労働時間は労働者の希望通りとなっているのでしょうか。
労働者が希望しての労働時間なのか
ここで問題なのが、どのような取り決めで週30時間労働になったのかです。
月の残業が何十時間もあり、まさに労働者が「社畜」のように働き、肉体的、精神的にも追いつめられている状態での労働時間改善であれば、これはすばらしいことだと思います。
しかし、一日8時間労働で給料をしっかりもらいたい人にとっては、労働時間短縮は考えものです。
それが一日6時間と決まっていれば、空いた時間に別の仕事を行う、ダブルワークも可能でしょうが、今日は4時間。明日は12時間と、週合計30時間であればダブルワークは難しくなります。
アマゾンは週30時間でも福利厚生は受けられるとしている点は好感が持てます。
ただやはり、給料は少なくなるので、このあたりが労働者とどのような合意になっているのかが気になるところです。
給料が減っても、それで生活できる世の中であればいいのですが、家賃や物の値段は労働者の給料にあわせて減ることはありません。
日本でも労働時間を減らしていく傾向にありますが、それで給料が減って生活できなくなるようでは困るのです。
労働時間改善と聞こえのいいことを言うのはかまいませんが、労働時間短縮による賃金の減少をどのようにカバーし、対策していくのか。しっかり検討してもらいたいものです。