「すごい」対談
まさか、このお二人の対談が実現するとは思わなかったです。
『Gucci Post』でお馴染みのぐっちーこと山口正洋さんと、財務官僚だった髙橋洋一さん。
民間の立場からの視点と、元官僚の立場からの視点で語られる日本経済論。熱すぎます。
3時間でスッキリ
「日本経済の「大問題」を徹底討論もう情報のバイアスに騙されない! 3時間読むだけで、これからのおカネのことがスッキリ見えてくる自己防衛の人生指南書」
勇敢な日本経済論
本書表紙にそう書かれている通り、日本経済の問題点の奥の奥まで語り尽くしています。
おもな内容は以下の通りです。
- 第1章:トランプはバカじゃないからこう付き合え
- 第2章:円安が国益か、円高が国益か
- 第3章:財政再建はもう終わっている
- 第4章:アベノミクスをどう評価するか
- 第5章:規制緩和はなぜ進まないか
- 第6章:地方活性化に何が必要か
- 第7章:少子高齢化はチャンスだ
本書は新書サイズでコンパクトですが、とにかく内容が「濃いー」ので3時間で読めるかどうかはわかりませんが、満足感はたっぷりです。
行き着く先は同じ
わたしはぐっちーさんが提供している『Gucci Post』のブログを初期から購読しており楽しく読んでいます。
民間の視点で日本経済の問題点を突いており、とくに岩手県紫波町の地方再生「オガールプロジェクト」では国に頼らない経営で成功しています。
そのぐっちーさんと小泉政権時代の元財務官僚の髙橋洋一さんと対談。それだけでも注目の書籍です。だって官僚の考えと民間の考えなんてちがうじゃないですか。
だけど、面白いのが髙橋さんが官僚の考えというよりは民間の考えに近いということ。
とにかく民間にできることは民間にまかせちゃう。規制緩和をどんどんやってもっと日本経済を活性化させようて考えです。
規制緩和が難しいことはこの本書を読めばよくわかります。
なんだかんだ理由をつけて既得権益を守りたい官僚が多いから規制緩和が進まない。
髙橋さんはどんどんやっちゃう感じなんです。この考えって官僚的じゃないですよね。
だからぐっちーさんと対談していても突き詰めれば同じ道に行き着いちゃうんです。
小泉政権では官僚の立場なんですが、安倍さんが一度総理大臣を辞めたときのどん底時代に深い交流を持っていたことも面白い事実。
また、ぐっちーさんは丸紅から米投資会社のモルガン・スタンレーに勤めた経験のある人物。
岩手県紫波町の「オガールプロジェクト」を民間の力で成功させています。
ブログでは知っていたのですが本書ではトランプ米大統領との関わりも詳細に語られており、あらためて驚かされました。けっこう深く関わっていたのですね。
とにかく経済のことがよくわかります。小難しい専門用語なんてなし。バッサバッサと気持ちいいぐらい問題点に切り込んでいます。
知れば知るほど日本の政治に物言いたくなるはずの本書はおすすめです。