アップルへの依存性
先日、ウォーレン・バフェットが率いる投資会社バークシャー・ハサウェイが2017年に入りアップル株をおよそ1億2000万株を購入していたことがわかりました。保有株数は1億3300万株となり、およそ170億ドルとなりました。
バフェットはインタビューで、アップルとバークシャーのどちらが先にアメリカ初の時価総額1兆ドル企業になるかと訊かれて、アップルに賭けると答えました。
アップルの時価総額はおよそ7200億ドル。キャッシュやそれに相当する証券を2500億ドル近く保有しています。
人の心を捉えて離さない
2016年の第4四半期(10〜12月)の世界のスマートフォンの出荷台数が『strategy analytics』より報告されました。
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これによるとアップルは7830万台。サムスンは7750万台となっており、シェアはアップルが17.8%と僅差でサムスンを上回りました。ただ、年間で見れば依然としてサムスンがトップであることには変わりません。
さて、バフェットは2月27日のCNBCのテレビインタビューで、アップル製品には「粘着性」があると語りました。
これは一度アップル製品の客になれば、続けてアップル製品を買い続けてしまうということです。とくに数年に一度の買い替えが必要なスマホであれば、その傾向が強く見て取れます。
世界的に見ればアンドロイドスマホのシェアが多いのですが、これはスマホ本体の料金代に影響する部分も多くあります。
iPhoneとその他のアンドロイドスマホの料金を比べたときに、その価格の違いからiPhoneを持ちたくても購入できない人が多いのも事実です。先日、友人がiPhone5からiPhone7に買い替えましたが本体はおよそ9万円でした。やはりこれは高いです。同じぐらいの性能のアンドロイドスマホであれば半分の値段で買える機種もあります。性能にこだわらなければ格安スマホもあります。
海外では「妥協」としてアンドロイドを選ぶ人が多いと聞きますが、ここ日本ではiPhone人気は衰えを知りません。多くの学生層も高いiPhoneを持っています。
「周囲がiPhoneだから」
「なんとなく流行で」
一生懸命に働いて稼いだアルバイト代がiPhone購入に使われるのです。一種のアップル信仰とでも言えるかもしれません。
妥協や、見栄や、他人への自慢といった、およそ製品の性能とは関係ない事柄でiPhone有無の理由とは別に、「使いやすさ、わかりやすさ」という側面は大いにあると思います。これはアップルの強みかもしれません。
わたしのスマホはアンドロイドなので、iPhoneを使ったことはないのですが、ノートはMacです。以前はWindowsを使っていました。今、考えればWindowsの操作ってややこしところがありました。「どこがどう」とか細かいことを表現できないのですが、Macはまさに「直感的」に操作ができるんですよね。「これをこういうふうにできたらいいのに」ということがMacでは簡単にできる。ストレスがかからない。これはiPhoneにも同じことがいえるのかもしれません。一度使ったらなかなか変えられない。
バフェットが言った「粘着性」ということは、これらの事柄に当てはまることかもしれません。
日本でいえばソニーの『VAIO』が同じように「粘着性」がありました。VAIOを使っていた経験から周辺のアクセサリー類もVAIO、次の買い替えもVAIOと、今のアップルのような信仰があったのを覚えています。
アップルの変化
スマホ市場はそろそろ飽和状態になっています。またアップルにとってはライバルサムスンの存在も大きなものです。
素人がそんなことを考えられるのだから、アップルはとっくの昔にそのことに気がついてるのは当たり前で、アップルはiPhoneというハード面から、ソフト・コンテンツ企業へ変化しつつあるのが見てとれます。
日本でも始まったアップルペイのほか、アプリやオンラインのデータストレージ、そして音楽といったコンテンツサービスは、近年着実に伸びてきています。これらがアップルの次の牽引役になるのもすぐかもしれません。
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個人的な見解ではいずれアップルはコンテンツ企業になると思います。
(アイキャッチ画像/著作者:alant79)