リストバンドで覚醒

集中力を高めるためにコーヒーなどを飲むことがあると思います。カフェインの効果で眠気を飛ばしもう一踏ん張り。
しかしコーヒーなどのカフェインを摂取しなくても同じように覚醒できるならどうでしょう。
怪しすぎる!?
イギリスはロンドン発のスタートアップ企業に『ドッペル(doppel)』という企業があります。
商品はリストバンド型のウェアラブル。
これを聞いただけでは、「フィットビットと同じでしょ。アップルウォッチもあるよ」と聞こえてきそうですが、装着するだけのウェアラブルではありません。人間が覚醒します。
たとえば気分を変えたいときがあります。
安らぎたいときはスローテンポの曲。テンションを上げたいときはアップテンポな激しい曲など、選択する曲で気分も変わります。
そのような変化を、音楽ではなくリストバンド型のウェアラブルを装着することで可能にしたのがドッペルが開発したウェアラブルです。

パルス
リストバンドの中にはディスクが内蔵されており、タップすることで回転を始めます。そこからパルス(振動)を感じるとることができます。
この回転を速めたり、強くすることによって気持ちが落ち着いたリラックス状態を作り出したり、逆に気分を高揚させて集中力を高めたりできます。
ドッペルを使用して400名が記憶テストを行なった結果、誤解答が減ることが証明されています。
また使い方によっては目覚めがよくなったり、眠気をなくす効果も期待できます。
シンプルな操作

操作はシンプルです。
円盤のストロークで振動が下がり、中央のボタンを押せば振動が上がります。
円盤を回すことで振動の強度を調節できます。
成長するか、タダの流行か
ドッペルは2015年、キックスターターで11万ポンド。日本円でおよそ1480万円の資金調達に成功しました。
さらに英国のロイヤル・アカデミーからも5万ポンドを得ました。
現在まで1000個をキックスターター経由で販売したそうです。
2016年秋ごろには150ドルで正式発売される予定です。なお日本での発売は未定です。
ウェアラブルの市場は2019年までに250億ドルの規模になると言われていますが、フィットビットやアップルウォッチなどをみていると、それほど流行っているようには思えません。
パルスを与えることで人間の精神状態がリラックスしたり、または高揚するなど、ドッペルのウェアラブルがどれほどの効果を与えているかは懐疑的です。
しかし音楽を聴くことで気分が変わるように、ドッペルのウェアラブルも振動により人の体、血流などに影響を与えているのかもしれません。
パルスの速さや強弱によって人の体がそれに同調するような感じになるのかもしれません。
ただ、この技術だけではドッペルの成長はないでしょう。
腕につけてまでそのパルスを必要としている人がどれほどいるのか疑問です。
医学的に効果があることが証明されていれば検討に値しますが、極端なことを言えば、イヤホンで音楽を聴くことで同じ効果があるのであれば、ドッペルは必要なくなりますし、集中力を高めるならこれまで通りカフェインを摂取すればいいのです。
その両方ができないからドッペルが必要であるならば、ドッペルは買ってもらうに値することを実証しなければ、その価値は伝わりづらいと考えます。
流行れば、一時期の盛り上がりはあるでしょうが、成長性としては厳しいものがあると考えざるをえません。