今回紹介する米国株銘柄は製薬や医療機器、ヘルスケア製品で世界的企業の「ジョンソンエンドジョンソン」です。
【Johnson&Johnson(ジョンソンエンドジョンソン)】57年以上連続増配中
概要
- 名称:Johnson&Johnson(ジョンソンエンドジョンソン)
- ティッカーシンボル:JNJ
- 事業内容:製薬、医療機器、ヘルスケア製品の製造販売
- NYダウ工業株30種構成銘柄
- 公式サイト:https://www.jnj.co.jp/
ジョンソンエンドジョンソンの歴史
医薬品からヘルスケア製品を製造する企業です。バンドエイドからコンタクトレンズ、さらには医薬品と、世界中で展開しています。
1886年。ロバート・ウッド、ジェームス・ウッド、エドワード・ミードのジョンソン三兄弟によって創業されました。
1888年。鉄道作業員のために開発した製品、ファーストエイド・キッドが創傷治療として普及。
1894年にはジョンソンエンドジョンソンの代表製品にもなるマタニティ製品。ベビー用品が発売されます。その後も生理用品、デンタル用品が発売されていきます。
1921年。小さな傷を自ら手当てできる世界初のガーゼつき絆創膏『バンドエイド』ブランドが発売されます。
1955年。のちにジョンソンエンドジョンソンに買収される米マクニール研究所によって鎮痛用処方薬であるタイレノールが発売。
1987年にはコンタクトレンズの『アキュビュー』ブランドが発売されます。その後も、ファイザーからヘルスケア部門を取得し、口内ケア『リステリン』が加わりました。
タイレノール毒物混入事件
1982年にアメリカシカゴで鎮痛剤のタイレノールに何者かが毒物を混入。7人が死亡するという事件がおきました。
ジョンソンエンドジョンソンはアメリカ全土のタイレノールを回収。その費用は当時の推定で1億ドルとも言われています。
この事件により同社は問題処理の危機管理と迅速な対応からプラスの企業イメージを確率しました。
代表的な日用品
- 絆創膏『バンドエイド』
- ベビー用品『ジョンソンベビー』
- コンタクトレンズ『アキュビュー』
- 口内ケア『リステリン』
- 禁煙補助薬『ニコレット』
ジョンソンエンドジョンソンの状況
3本柱
ジョンソンエンドジョンソンは一般消費者向け製品のほか、医薬品、医療用機器の3本が事業の柱となっています。
米国の人気投資番組『マッド・マネー』のホストを勤めるジム・クレイマーは彼の著書の中でジョンソンエンドジョンソンはそれぞれの部門を独立させたほうがいいとしています。
企業買収で会社が巨大になった場合、関連性があればパワーが大きくなりますが、あまり関連性がない企業だと、どこかの部門が足を引っぱった場合、別の部門の利益にも影響を与え、結果的に相殺されて、全体を見たときに成長していないことになります。
ジム・クレイマーはジョンソンエンドジョンソンの3事業はシナジー効果が期待できないとしています。
また企業を評価するとき、どの部門のアナリストの意見を参考にすればいいのかも問題になります。一般消費者向け製品のアナリストか。それとも医薬品なのか、医療機器なのか。どの部門に重点をおくかで投資家のスタンスも違ってきます。
ジョンソンエンドジョンソンへの投資。株価の推移
連続配当銘柄。元々はバフェット銘柄
ジョンソンエンドジョンソンは元々バフェット銘柄でした。
ただ、すでにバフェットはジョンソン株を売却しています。おそらくその理由は先ほども述べたように事業内容が複雑になったからだと考えられます。
バフェットの投資哲学はシンプルです。
10年後もその商品なり、サービスが使われているかを考えます。
たとえばバンドエイドはひげ剃りと同じで必要な消耗品です。今までツバを傷口にあてていた人たちが、ジョンソンエンドジョンソンのバンドエイドを使うようになれば利益はどうなりますか。
バフェットがジョンソンエンドジョンソン株を売却したのは、そのシンプルさがなくなったからと予想できます。
57年以上連続増配中
ジョンソンエンドジョンソンは57年以上の連続増配銘柄の代表格です。配当利回りも2.7%前後です。
株価の推移

株価は2020年8月現在のものです。
まとめ
ジョンソンエンドジョンソンはよほどのことがなければ株価が激しく変動することはなく安定しています。
配当は連続増配を続けているので、長期保有を考えたい銘柄です。
世界経済はいくつものバブルやショックを経験してきました。それでもジョンソンエンドジョンソンは配当を増配し続けている企業なのです。
もしジョンソンエンドジョンソンほどの大手優良企業が破産することがあれば、しょうがないとしかいいようがありません。
そのときは世界経済も大きく傾くほどのショックが襲っているはずです。
(株投資は自己責任でお願いします)