今回紹介する米国株銘柄は洗剤や化粧品などで世界的企業の「P&G」です。
【P&G(プロクター・アンド・ギャンブル)】連続増配高配当銘柄の雄
概要
- 名称:P&G(プロクター・アンド・ギャンブル)
- ティッカーシンボル:PG
- 事業内容:洗剤やおむつなどの家庭用製品、化粧品、ヘアケア製品の製造、販売
- NYダウ工業株30種構成銘柄
- 公式サイト:http://us.pg.com
P&Gの歴史
創業は100年以上前となる1837年。ローソク業者だったウィリアム・プロクターと石けん業者だったジェームズ・ギャンブルの共同で創業しました。

『アイボリー石けん』はP&Gの商品として最も古い歴史があります。石けんにブランド名をつけることも当時は斬新でした。

1946年。アメリカで『Tide(タイド)』が発売されました。
それまで洗濯には石鹸が使われていました。この商品の登場で一変しタイドは洗剤市場で人気のある商品になりました。

P&Gはその後も数々の人気商品を発売します。
- 『クレスト』:歯磨き剤
- 『パンパース』:紙おむつ
- 『ウィスパー』:生理用品
- 『アリエール』:洗濯剤
誰もが一度は聞いたことがある商品ばかりです。
これらがP&Gの製品であることを認識している人がどれほどいるでしょうか。
買収企業
P&Gは企業買収も多く行っています。その代表的な企業をピックアップします。
- リチャードソン・ヴィックス
- 女性向けヘアケア商品である『パンテーン』として有名です。
- マックスファクター
- 化粧品として知られています。
- ウエラ
- ヘアケア商品として有名です。
- ジレッド
- ひげ剃りメーカーとして知られています。
ジレッドは著名投資家のウォーレン・バフェットの保有銘柄でしたが、P&Gが買収したことでバフェットにはP&G株が割り当てられ、保有していたことがあります。
P&Gの状況
為替
P&Gは世界企業です。アメリカ以外の売上が6割以上を占めています。
そのため為替の影響が売上の変化にも繋がります。もちろん株価にも影響がでるので注意が必要です。
経営者
P&Gを復活させた経営者アラン・ラフリー。彼がCEOに就任した2000年は業績不振でP&Gの低迷期でした。

ラフリーは数々のM&Aを実行し、P&Gを立て直しました。
就任当時P&Gの株価は27ドル程度でしたが、在任中に53ドルまで上昇しました。
2009年にラフリーはCEOの座をロバート・マクドナルドにバトンタッチしました。
しかし思うような成長が見られず、P&Gは2013年にラフリーをCEOに復活させました。
ラフリーは大きくなっていたP&Gの再編に着手しました。
主要なものでは乾電池企業のデュラセルを47億ドルでバフェットのバークシャーに売却しました。
また傘下にあった43のブランドを香水化粧品大手のコティに売却しました。その額は125億ドル(当時の日本円で1兆5000億以上)。
その売却ブランドには先にも紹介した『ウエラ』シリーズ。『マックスファクター』などのコスメ。さらに『ドルチェ&ガッパーナ』や『グッチ』などの香水分野が含まれていました。
2015年。ラフリーは再編のメドがついたことからCEOの座からエグゼクティブ・チェアマンになりました。
同年11月から社長兼CEOにデイビッド・テイラーが就きました。
連続増配と株価
64年連続増配中
P&Gの強みの一つは配当です。
現在はおよそ2.5%という配当銘柄であり、さらに毎年連続増配を続けています。その年月は64年です。
日本企業で連続増配年数のトップは花王の30年ですがP&Gの半分にもおよびません。
P&Gは過去にバフェット銘柄でしたが、現在バフェットのホートフォリオにP&Gは1%もありません。
それでも米国株投資として不動の人気があります。
バフェットはひげ剃りのジレッドが買収されたことでP&Gを保有したわけですが、ジレッドに焦点を当てると、これほどわかりやすい事業で、先を見通せる銘柄は長期の投資先として安全圏に入ります。
ひげ剃りは世界中で使用されています。よほどのことがないかぎり10年後も変わらずに世界中で使われていることでしょう。
ひげ剃り購入者は本体を買ってしまえば、しばらくの間は刃の交換だけで、継続してそのひげ剃りを使います。これである程度固定客がつき売上も安定します。
だれもが先の未来を容易に考えることができる事業を行っている企業の株をバフェットは好みます。
日常生活で使う一般消費財は人が生きているかぎり必要なものです。P&Gはそれらの多くを製造し送り出しています。
株価の推移

2020年7月現在のP&Gの株価です。トランプ大統領就任後から右肩上がりです。
新型コロナの影響でP&Gの株価も下落しましたが、現在はコロナ前の水準に戻しています。
まとめ
ディフェンシブ銘柄としてP&G株は人気があります。
どのような時代でも必要とされる一般消費財を提供し続けています。
P&Gのような巨大企業の株価は余程のことがない限り激しく動くようなことがない退屈な銘柄ですが、安定した株価で推移を続けます。
長期保有の配当目当ての銘柄としは最適です。
(株投資は自己責任でお願いします)