オットーはトラック自動運転化を目指す

自動運転はもう未来の出来事ではありません。すぐにでも現実になりつつあります。
ここ最近、自動運転分野の動きが活発になっています。
アメリカの配車サービスのウーバー(Uber)は、2016年サンフランシスコで創業したスタートアップ企業のオットー(Otto)を買収すると発表しました。
オットーとは大型トラックの自動運転装置を開発している企業です。
オットーとは
オットーを創業したのはグーグルに勤めていた二人です。
その二人とはグーグルマップの元製品責任者リオー・ロンと、自動運転車部門の元技術責任者アンソニー・レバンドフスキです。

二人は自動運転を早期実現できる分野として長距離輸送トラックに狙いをつけ、2016年1月に自己資金を使いオットーを設立しました。
創業者のリオー・ロンは、
トラックは高速道路の走行時間が長く、道が単純で、歩行者もいない。自動運転技術が導入しやすく地図も作りやすい。
と伝えました。
ただその一方で、大型トラックが高速で走行する場合、止まるためのブレーキに時間がかかること。
さらには道路に何かあったときの障害物回避操縦も考えなければなりません。
それに対してリオー・ロンは、
大型トラックは乗用車に比べセンサーや探知機を取り付ける空間が大きく、電力も大きい。
として、対策は可能としています。
テスト走行を実施
オットーは現在、ボルボのトラック5台にシステムを搭載し1日3回の自動走行テストを行っています。場所はアメリカのカリフォルニア、アリゾナ、ネバダです。
アメリカでは自動運転の規制を各州ごとで設けている場合もありますが、アメリカ政府自体での決まった規制はありません。
しかし、2016年5月に電気自動車のテスラ社の自動車で自動運転の死亡事故が起きました。
この件でアメリカ政府がガイドラインを設ける動きがあります。
オットーの計画にも影響はあると思われます。
ターゲットは配送業
長距離トラックといえば配送業です。
アメリカの広大な土地をコンボイといわれる大型トラックが走り回る映像を観たことがある人は多いと思います。
体格のいいドライバーが運転する姿はかっこよくもありますが、その業務は過酷です。
日本でも宅配ドライバーの過酷さはニュースでも取り上げられます。
配送効率の向上とお客へのサービス面を求められる仕事です。
日本の配送員ほどの質とサービスをアメリカでは求められないかもしれませんが、効率性を求められるのはどこの国でも同じです。
ドライバーにとって自動運転は魅力的にうつります。個人はもちろん、配送を行う企業にとっても輸送力の向上は必要なことでニーズのある分野です。
課題は責任
ただ、やはり問題視される部分として、高速走行でトラックが自動運転をしている間、ドライバーは仮眠をとったり休憩してもいいのかということです。
平坦な道路を高速で走る分、危険は少ないと考えオットーは長距離トラックでの自動運転を実現させようとしています。
自動運転でドライバーが仮眠をとるということは極端な例かもしれませんが、どこまで人間が自動運転に関わるのかが焦点になります。
多くに関われば、それは自動運転の恩恵を最大限に受けられなくなりますし、自動運転に任せっきりとなれば、万が一事故が起きたときの責任はどこへ行くのか。
このへんのあんばいが大切になってくると思われます。
出典:長距離トラックを自動運転化するOtto社 元グーグル社員2名が起業 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)