どこへゆく韓進海運

先日、韓進海運が破綻した記事を書きました。
9月11日の時点でも、韓進海運が保有する97隻のうち70隻は、現在も入港にかかる料金が支払えず積み荷を乗せたまま海上を漂っています。
遅遅として進まず
海運業界第7位だった韓国の韓進海運が2016年8月末に経営破綻しました。
荷を積んだままの船舶が今も海上に漂っています。
9月19日の朝鮮日報が伝えたところによると、韓進海運の船舶から荷降ろし作業が米国、スペインに続き日本でも再開されたようです。
9月18日午前から東京港で「韓進ジェネバ」号が一部の貨物を降ろした後、目的地である釜山港に向けて出発したということです。
出典:http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/09/19/2016091900686.html
漂う1兆円の荷
しかし問題が解決したわけではありません。
海上には荷を積んだままの船舶が現在もおよそ70隻漂い続けています。
韓国メディアが伝えたところによると、積み荷の総額はおよそ140億ドル。日本円で約1兆4000億円ということです。
海上には1兆円が漂い続けています。
アメリカの沿岸には中国や韓国からアメリカ本国に入るはずの荷が韓進海運の保有する船舶に積まれたままです。
これらの荷はクリスマス商戦がはじまるブラックフライデーに間に合うように届けられるはずでしたが、現在も海上にあります。
顧客にはアマゾンやウォルマートなどをはじめ数多くの企業があります。
また電子機器企業のヒューレットパッカードは自社の製品を入れた500個以上のコンテナを積んだ船が入港できない状態となっています。
漂う乗員乗客
積み荷だけが降ろせないのではありません。乗員乗客も下船できない状態が続いています。
先にあげた荷下ろしが日本で開始された「韓進ジェネバ」号に乗船中だった英国の美術大学院生は、カナダ・バンクーバーの美術財団が主催する船上プログラムに応募し選ばれました。
バンクーバーから乗船し、9月15日に上海で下船する予定でしたが、今回の韓進海運破綻の影響で船上で足止めされたようです。
また同船には25人の乗員が乗っていたということです。
荷を頼んだ企業や、乗員乗客の関係者は早急な対応を求めていますが、金融支援のめどがつかない限り船舶の入港はできないということです。
出典:http://www.j-cast.com/2016/09/18278318.html?p=2
黒船来航
さらにこの混乱に乗じてやはりやってきましたね。
海運業界世界1位のデンマーク企業マースクは、中国・上海、韓国・釜山、アメリカ・ロサンゼルスを結ぶ新路線を9月15日から運航すると発表しました。
また2位のスイスMSCも15日から中国~釜山~カナダ路線の運航を始めたようです。
虎視眈々とアジア路線が狙われています。
しかしこの韓進海運問題はいつまで続くのでしょうか。
韓進海運を抱える財閥がこの問題を早急に解決させないことに批判があがっており、その矛先は韓国政府にも向いています。
また韓国にとっては巨大な黒船2隻が釜山に入港したことになります。
韓進海運の物流を根こそぎ持っていくことになりますが、自業自得。韓進海運を抱える財閥、さらには韓国政府の怠慢が招いた結果です。
韓国危うし。