一時約1600ドルの下落
先週の金曜日からNYダウが下落しています。
週明けの月曜日、先週からの流れを引き継ぐようにダウは一時1600ドル近く下落しました。その後少し持ち直し1175ドルの下落、終値で24345ドルとなりました。
ダウは大きく下落しましたが個別アメリカ企業の業績は好調で、要因は金利の上昇といわれています。
長期金利2.7%台
アメリカの企業業績は好調、さらにはトランプ大統領の税制改革などの期待もあってNYダウは一本調子で上昇してきました。
しかし、ここまでの上昇を演じてきたのであれば、遅かれ早かれどこかで調整はあるといわれていました。その予兆は長期金利の急騰にありました。
金利が上昇すれば株価はその影響から下落します。現在の米国10年債は2.7%台です。
債券投資で著名なジェフリー・ガントラックは、
「高リスク資産が暴落し、投資家が恐怖から安全資産に逃避するような状況にでもならなければ、この状況で債券の買いが魅力的になることはないだろう。」として、「10年物国債の金利が3%あったとしても、債券の買いを選好することは難しい。」
とも語っています。
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つまり長期金利は3%超えてもおかしくないと読み取れます。
金利上昇は株価にとってマイナス要因です。ただ、アメリカ経済は好調なので、今回は下落というよりは健全な調整とも考えられます。
S&P500のチャートです。
こちらはNYダウのチャートです。
FRB新議長
さて、もう一つの下落要因がイエレン議長の後任となったジェローム・パウエル議長です。
もちろんパウエルが直接なにかをしたわけではありませんが、トランプ相場で慎重に舵取りをしてきたイエレン議長からパウエルに変わったとたんに株価の下落に見舞われました。
昨年からFRBは金融引き締めを行っていますが、それでも株価に大きな調整はありませんでしたが、ここにきてはじまりました。新議長の腕試しといわんばかりです。
NYダウに引きずられるように火曜日の日経も1000円を超える下落となっています。しばらく株価は低調な動きになりそうです。