先制攻撃<経済制裁
アメリカと北朝鮮との軍事衝突の懸念が強まっています。
空母「カール・ビンソン」の情報が二転三転していますが、朝鮮半島近海に向かっているのは事実のようです。
ただ、軍事衝突の可能性がないとは言えませんが、アメリカによる北朝鮮への先制攻撃はないと思います。
軍事行動
北朝鮮によるミサイル発射実験などの挑発が続いていますが、一方でトランプ大統領の強硬姿勢も目立ちます。
シリアへの巡航ミサイル攻撃や、核兵器を除く通常兵器では最大級の爆弾といわれ「すべての爆弾の母」とも呼ばれる大規模爆風爆弾(MOAB)を使用したり、ここのところ北朝鮮への見せしめ感もある行動が続いています。
さらに米海軍の空母「カール・ビンソン」を中心とする空母打撃群が朝鮮半島に向かっている情報が流れ、一段と緊張が増して、アメリカによる北朝鮮への先制攻撃があるのではないかと言われています。
この「カール・ビンソン」有する空母打撃群の位置情報についてさまざまなことが言われており、実際はまだインドネシア付近、インド洋あたりと報道されています。
今すぐになにかあれば在日、在韓の米軍が行動を起こすので、空母打撃群の位置情報はどうでもいいわけです。米軍が軍隊の行動を逐一報告するのおかしな話で、情報戦も大事なわけです。
また、核の脅威と騒がれていますが、今にはじまったことではなく、ずっと前から北朝鮮の核の脅威は存在しています。
北朝鮮はミサイル発射実験を行っていますが、どこかの国に向けて撃ったわけではありません。もし北朝鮮が他国にミサイルでも撃ったのならアメリカによる攻撃は考えられますが、個人的に思うのは先制攻撃はないと思います。
「ない」というよりはその前に経済制裁、とくに石油の禁輸でダメージを与えるのではないでしょうか。
石油禁輸
4月12日にロイターが伝えていますが、トランプ大統領は北朝鮮への経済制裁強化を強めようとしています。
国連を通じた経済制裁には、石油禁輸、高麗航空の運航禁止や北朝鮮船舶の貨物検査などが検討されているようです。
また先日、トランプ大統領は中国の習近平国家主席と会談を行いましたが、その会談では中国が北朝鮮への圧力を強めなければ、北朝鮮と取引のある中国の銀行などへの制裁を科す可能性があると警告したとされています。
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中国は2月から北朝鮮から入ってくる石炭の輸入を禁止する措置を取っており、また4月17日からは中国国際航空の北京と北朝鮮の平壌を結ぶ便の運航を停止するとしており、再開のメドはわからないとしています。
さらに一部中国の報道では、中国が北朝鮮への石油禁輸を検討していると伝わっています。
北朝鮮は石油輸入の多くを中国に頼っています。もし石油禁輸となれば北朝鮮は3カ月ももたないと言われています。
アメリカは北朝鮮への先制攻撃の前に、経済制裁によって北朝鮮を孤立させる選択肢を重視しているようです。
どっちに転んでも
不謹慎な話かもしれませんが、アメリカの北朝鮮対策が各国との連携でうまく進み、ミサイル実験が中止になっても、逆に北朝鮮が経済制裁で我慢の限界となりソウルや日本にミサイルを発射することがあったとしても、アメリカにとってはどちらでも都合がいいはずです。
さまざまな要因は抜きにしてシンプルに北朝鮮問題を考えたとき、もし北朝鮮にミサイル発射実験や核開発をやめさせることができれば、トランプ大統領はこれを自らの功績とするでしょう。ちやほやされるのが好きですから「どうだ!」と言わんばかりの姿が浮かびます。
万が一北朝鮮が暴走した場合、ミサイルの一発や二発、または核ミサイルが韓国や日本を標的に飛んでくるかもしれませんが、そうなればアメリカは戦争を起こす大義名分ができるので反撃に出ると思います。
どれだけの犠牲者が出るかは別にして、アメリカは世界一の軍事大国であり、ウォービジネスの国です。最新兵器も実践で使用したい思惑もあるでしょうし、側近に軍人が多いのも、なにやら気になるところです。
「Make America great again」
を掲げるなら戦争という要素も含まれているはず。